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歯を失ってしまった方へ

歯を失った場合の治療法

何らかの原因で歯を失ってしまった場合、そのままでは噛み合わせが悪くなるため、失った歯を補う治療が必要です。具体的には入れ歯、ブリッジ、インプラントの3つが挙げられます。
それぞれの治療法にメリットとデメリットがあり、どれがよいとは一概にいえません。患者さんのお口の状態や普段のケアの内容、なくなった歯の周囲の状況、患者さんの希望、経済状況など、さまざまな情報を総合的に考えながら、患者さんとともに治療法を検討していきます。

入れ歯

歯のなくなった場所に人工歯を当てはめて、人工歯についた金具やバネを隣の歯に引っ掛けるなどして固定します。
部分入れ歯と、歯が1本も残っていない場合の総入れ歯があります。 また、入れ歯の素材や技術によって、保険適用の入れ歯と保険適用外(自費)の入れ歯に分かれます。
さまざまな種類から、患者さんに合ったものを選んでいただきます。

入れ歯の種類と特徴

1レジン床(保険適用)

従来からある一般的な入れ歯で、最も経済的です。厚みによる違和感や、熱の伝わり方からくる食感などの制約があります。金属床などに比べるとたわみが大きくなり、適合しにくい面があります。

メリット

  • 価格が安い
  • 修理が簡単にできる
  • 比較的早くできあがる

デメリット

  • 耐久性に劣る
  • 割れやすい
  • 食べものの味が分かりにくい
2ナチュラルデンチャー(自費の入れ歯)

従来の入れ歯のようなクラスプ(留め具)がなく、入れ歯をしていることが目立たない自然な使用感です。非常に軽くて薄く、装着時の違和感もありません。年齢が若い方や、見た目を重視する方、金属を使いたくない方などにおすすめの入れ歯です。

メリット

  • 入れ歯だと気づかれにくい
  • 装着時の違和感が少ない
  • 強度があり、軽くて薄い
  • 発音がしやすい

デメリット

  • 経年により樹脂部分の変色、退色がみられることがある
  • 残っている歯が少ない場合にはできない
3金属床義歯 コバルトクロム床(自費の入れ歯)

コバルトクロム床義歯は、金属床義歯の中でももっとも多くの方が選択されている入れ歯です。金属床義歯の魅力を持ちながら、チタン床義歯よりも安価に作製できます。

メリット

  • 金属床義歯の中でも比較的安価
  • バネを小さくできるので目立ちにくい
  • 舌を動かしやすい
  • 食べ物の温度が伝わりやすい
  • 汚れがつきにくくお手入れが比較的楽

デメリット

  • 口を開けるとバネが見えることがある
  • チタン床義歯と比較するとやや重くなる
  • 人によって金属アレルギーが起こる可能性がある
4金属床義歯 チタン床(自費の入れ歯)

コバルトクロム床義歯は、金属床義歯の中でももっとも多くの方が選択されている入れ歯です。金属床義歯の魅力を持ちながら、チタン床義歯よりも安価に作製できます。

メリット

  • 金属床義歯の中でも比較的安価
  • バネを小さくできるので目立ちにくい
  • 舌を動かしやすい
  • 食べ物の温度が伝わりやすい
  • 汚れがつきにくくお手入れが比較的楽

デメリット

  • 口を開けるとバネが見えることがある
  • チタン床義歯と比較するとやや重くなる
  • 人によって金属アレルギーが起こる可能性がある
5磁性アタッチメント/ケラター(自費の入れ歯)

磁性アタッチメント義歯は磁力の力を借りて入れ歯を安定させる方法です。

メリット

  • 磁力の力で入れ歯を維持するため、入れ歯がはずれたりする可能性が低くなる
  • 通常の部分入れ歯では金属金具を使用するがその必要性がない(金属が見えないので見た目が良い)
  • 入れ歯の下に歯が残るため、入れ歯が沈下しづらく力を入れてかめる
  • 残った歯に側方圧(横方向の力)がかかりづらいので、歯の負担軽減になる

デメリット

  • 歯が一本以上残ってないとできない
  • 主に頭部のMRI検査時に、磁石付近の画像に影響が出てしまうので、検査前に外さないといけない場合がある

ブリッジ

ブリッジとは、口腔内に装着する連続した被せ物のことです。
このブリッジには、保険適応の金属製のものや適応外のセラミック製など、様々なものがあります。
ブリッジ治療では、虫歯や歯周病により歯を失ってしまった部分を補うために、その両隣の歯を土台にして、連続した被せ物を装着する治療です。
また、両隣の歯が神経まで進んだ場合の虫歯とそうでない虫歯では、治療回数が大きく異なります。

被せ物(クラウン&ブリッジ)の種類と特徴

1メタルボンド(P.F.M./陶材焼付鋳造冠)

金属製のフレームの表面に、セラミックを焼きつけた被せ物です。オールセラミックと比較すると透明感は劣りますが、金属を用いるため強度が高く、噛む力の強い奥歯にも使用できます。

メリット

  • 外側がセラミックのため天然の歯に近い色と透明感があり、内側が金属のため、強度が優れている
  • 長年使用しても変色しにくい

デメリット

  • 内側が金属のため、金属アレルギーの方には適さない
  • 歯茎が下がってきたときに、歯と歯茎の間に金属の線が見える
  • 保険適用外のため費用が比較的高い
2オールセラミッククラウン (e-MAX)

全体がセラミック製の被せ物(クラウン)。透明感のある自然な白さで、天然歯に近いきれいな素材です。セラミックは汚れが付きにくく、変色しにくい特徴があります。金属ではないため、金属アレルギーのリスクもありません。

メリット

  • 天然歯のような白さと透明感がある
  • 周りの歯になじむ色で作製できるので自然な見た目を実現できる
  • 金属アレルギーや歯茎の変色などの心配がない
  • 表面がツルツルしており、汚れが付着しにくいため虫歯の再発リスクが低い

デメリット

  • 金属に比べて強度が低く、噛みしめや歯ぎしりによって負担がかかりやすい
  • 陶器製のため、転倒や衝突などが原因で割れる恐れがある
  • 保険適用の補綴物と比べて費用が高い
3ラミネートベニアクラウン(e-MAX)

歯の表面を薄く削り、1mmほどのセラミック製の板を貼りつける治療法です。前歯など見えるところに使うことが多く、歯の形や色を美しく整えます。前歯の色が気になる方や、すきっ歯の治療にも使われます。

メリット

  • 短期間ですきっ歯や出っ歯、歯の着色を改善できる
  • 金属を使用しないため、金属アレルギーや歯茎の変色などの心配がない
  • 歯の神経に影響を与えない
  • 白い歯を長期的に保てる
  • 周りの歯になじむように色を調整できる

デメリット

  • 歯にセラミックを貼りつけて歯並びを改善するため、重度の症状には適さない
  • かなり薄くではあるものの歯を削る必要がある
  • 強度が高くないため、歯ぎしりや食いしばりが強いところには適さない
  • セラミックが剥がれたり欠けたりする恐れがある
4硬質レジン前装冠/金銀パラジウム合金フレーム(前歯のみ保険適応)

金銀パラジウム合金のフレームにレジン(歯科用プラスチック)とセラミックを混ぜ合わせた素材貼り付けたもの。

メリット

  • 天然歯より劣るが白く見せることができる
  • プラスチックの被せ物と比べて強度に優れている

デメリット

  • 歯の裏側の金属が見えることがあ
  • 変色、摩耗は経年的に避けられない
5メタルクラウン(PGA)

ゴールドクラウンの一種で、PGA(PGA合金/白金加金)は、金合金にプラチナを加えたもの。そのため、色がやや銀色に近くなります。金属なので見た目に問題はありますが、適合がよく、金属もほとんど錆びることがありません。

メリット

  • 適度な柔らかさがあり適合しやすい

デメリット

  • 金属のため審美性に劣る
6ジルコニアセラミック

強度と耐久性があるジルコニアに、セラミックを焼きつけた被せ物です。金属を使用しないため、歯茎の変色や金属アレルギーなどの心配がありません。審美的に優れ、強度もあるので奥歯やブリッジに使用されます。

メリット

  • 強度が高く割れにくい
  • 天然の歯に近い自然な白さと輝きを持ち、長期間の使用でも変色しにくい

デメリット

  • 噛み合う相手の歯が摩耗しやすくなる
7ファイバーコア(直接・間接)

ファイバーコアはグラスファイバーで補強をした材料です。強度、審美性も良く、金属を使用していないため親和性も高く身体への負担も軽減できます。患部の状況などに応じて「直接法」と「間接法」という方法があります。

メリット

  • 適度な柔らかさがあるので、治療後の土台周りの歯への負担が少ない
  • 金属アレルギーの心配がない
  • 前歯に使用しても天然歯と同じような見た目を再現できる

デメリット

  • 保険適用外のためメタルや歯科用プラスチック(レジン)に比べると費用が高くなる
8メタルコア

メタルコアは、保険治療で最も一般的に使用されている金属の土台(コア)です。

メリット

  • 保険適応可なので安価
  • 金属なので丈夫
  • 品質が安定している
  • 歴史が長く、実績がある

デメリット

  • 歯よりも強度が強いため歯を割ってしまう可能性がある
  • ファイバーコアと比べて歯を削る量が多い
  • 金属アレルギーの危険性
  • 金属が透けて見える、歯茎から見える
9プロビジョナル

プロビジョナルは、最終補綴物が入るまでに被せ物と残った歯の部分と歯茎の状態を整えたり、噛み合わせや周りの舌や頬の粘膜との調和までを目的とする仮歯です。

メリット

  • 周りの歯になじむ色で作製できるので自然な見た目を実現できる
  • 調和の取れた形態の補綴物を作成することができる

デメリット

  • 保険適用外のため費用がかかる

インプラント

インプラント治療とは、歯を失ってしまった場合の治療法のひとつです。
歯がない部分の顎の骨に、インプラント(人工歯根)を外科手術で埋め込んで人工歯をかぶせます。
インプラントはチタン製で生体親和性が高く、顎の骨に結合するため、自分の歯のようにしっかりと噛むことができます。人工歯はセラミック製を使用し、自然な白さできれいな仕上がりです。
インプラントはメリットの多い治療法ですが、外科手術が難しい全身疾患がある方、成長過程の10代や妊娠中の方などには適用できないケースもあります。
当院では、患者さんの骨の量が足りない場合には、骨造成によってインプラントを可能にする治療も行っています。 非常に難しい症例の場合は、専門医をご紹介することも可能です。
インプラント治療に興味のある方は、まずはお気軽にご相談ください。

tipsメリット
  • ブリッジのように健康な歯を削る必要がない
  • 天然歯と同じようにしっかり噛める
  • 発音するときに支障がない
  • 異物感や違和感が少ない
  • 顎の骨が痩せにくい
tipsデメリット
  • 外科手術をする必要がある
  • 入れ歯やブリッジよりも、治療期間が長い
  • 保険適用外のため費用が高い

治療の流れ

1問診

インプラント治療に関して、患者さんのご希望や気になることなどを詳しく伺います。

2検査

レントゲンやCT、口腔内写真などの撮影、血液検査など、インプラント治療をする上で必要な検査をします。

3治療計画の説明

患者さんのご希望と検査結果にもとづいて治療計画を立て、具体的な治療方法や期間、費用などについて説明します。

4インプラント手術

STEP 1.一次手術

歯がない部分の顎の骨に、インプラントを埋め込む外科手術を行います。

STEP 2.治癒期間

一次手術の後、約3~6カ月の治癒期間をおき、インプラントが骨としっかり結合するのを待ちます。

STEP 3.二次手術

顎の骨とインプラントが結合したら、一次手術で埋め込んだインプラント体に、人工歯との連結部分(アバットメント)を装着します。この処置を二次手術といいます。手術後は歯茎が治るまで、約1カ月おきます。

STEP 4.人工歯の装着

上部構造(人工歯)を作製し、インプラントに取り付けます。

5メンテナンス

ご自宅でのホームケアと、歯科医院での定期的なメンテナンスを継続していきます。