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2022.10.24 ブログ

大人と子供のむし歯の違い

歯があれば、大人も子どもも同じようにむし歯になることはご存じかと思います。

では、大人のむし歯と子どものむし歯は同じように考えていいのでしょうか。

じつは、大人のむし歯と子どものむし歯にはいくつか違いがあり、そのために気をつけておかなければいけないこともあるのです。

大人のむし歯と子どものむし歯の違いについて、お話しします。

子どもの歯は大人の歯より弱い?

乳歯は、小さくて可愛いですよね。

ただ小さいだけなら良いのですが、永久歯とは「歯の質」が違います。

永久歯と乳歯では歯を構成している成分に差があり、歯の表面に存在している「エナメル質」と呼ばれる硬い層が、乳歯は永久歯の約半分程度といわれています。

硬い層が少ないということは、それだけむし歯になりやすいです。

むし歯のごく初期の段階では、むし歯の原因菌が出す酸によって歯が溶かされる「脱灰」という状態になります。

脱灰しているだけであれば、いきなり歯を削って治療することはなく、しっかりお手入れをしながら経過観察することが多いです。

永久歯の場合、エナメル質が分厚いことにより、脱灰から削って治療する必要のあるむし歯になるまで少し余裕がありますが、乳歯はエナメル質が薄いため、あっという間にむし歯が進行してしまう可能性があります。

子どもの歯を大きなむし歯にしないためには、仕上げ磨きのときによく観察することと、定期的な検診で歯科医師にチェックしてもらうことが大切です。

毎日の仕上げ磨きのなかで、少しでも気になると思ったら、はやめに歯科医院に行きましょう。

生え変わりの時期にも要注意!

子どもの歯は大人の歯と違い、生え変わります。

歯が生え始めてから完全に生えるまで時間がかかりますが、その間はむし歯になるリスクが高いといわれています。

なぜかというと、生えかけの歯は周りの歯と比べて背が低いためハブラシが届きにくく、磨き残しができやすいのです。

6歳ごろに乳歯の後ろから生えてくる第一大臼歯(6歳臼歯とも呼ばれます)は、とくにむし歯になってしまう方が多いので、注意して磨きましょう。

頭をだしたばかりの歯は、まだまだ未熟で不安定です。

大人の歯であればむし歯にならないような環境でも、簡単にむし歯になってしまう可能性があります。

乳歯のむし歯も注意が必要ですが、新しく生えてくる永久歯もしっかり忘れずケアしていきましょう。

子どもの歯をむし歯から守るには?

どうすれば、子どものむし歯リスクを減らせるんだろう、とお悩みの方も多いかと思います。

むし歯予防といえばフッ素が有名ですが、市販のフッ素と歯科でのフッ素は少し違うことをご存じでしょうか。

歯科で扱っているフッ素は、市販品には許可されていない高濃度のフッ素が配合されており、効果的にむし歯予防をすることができます。

定期検診のときに歯科専用のフッ素を塗布して、日常的なお手入れにはフッ素配合の歯磨き粉を使用するとよいでしょう。

また、奥歯の噛む面にある溝が深い場合、溝に樹脂を流し込んで埋めるシーラントという治療もあります。

深い溝に食べたものや細菌が入り込むと、むし歯の原因となります。

それをあらかじめ埋めてしまうことで予防する方法です。

シーラントにはフッ素が含まれているので、フッ素のむし歯予防効果も同時に発揮します。

ご家庭では、ていねいな仕上げ磨きをしてあげることが大切です。

歯科医院では、仕上げ磨きの方法やお子さん自身での歯磨きの指導など、むし歯予防のサポートもしっかりと行います。

お子さんの歯が1本でも生えてきたら、むし歯予防のスタートです!

ぜひお子さんと一緒に、歯科医院でブラッシング指導を受けてみてくださいね。