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2024.05.01 ブログ

根面う蝕について

むし歯のできやすい場所はどこだと思いますか?むし歯は「歯と歯の間」「噛む面の溝」「歯と歯ぐきの境目」にできやすいと言われています。

ブラッシングでの清掃が行き届きにくい場所が、むし歯のできやすいところです。なかでも「歯と歯ぐきの境目」は磨けているようにみえて、汚れが停滞しやすくなっています。

今回は、特に大人に気をつけてほしい「根面う蝕」ついて、お話しします。

根面う蝕とは?

「根面う蝕」という言葉を聞いたことはありますか?聞き慣れない言葉かもしれませんが、大人のむし歯を予防するために知っておきたい言葉のひとつです。

根面う蝕とは、歯の根元にできるむし歯を指します。さまざまな原因により歯ぐきが下がると、そこからむし歯が発生しやすくなります。

なぜ、根面(歯の根元)はむし歯になりやすいのか、というと、根面はエナメル質によって守られていない部分だからです。

歯の冠の部分は、エナメル質とよばれる硬い層で覆われています。しかし、歯の根の部分にはエナメル質はなく、比較的柔らかい象牙質がむき出しになっているのです。

柔らかい象牙質は酸に溶けやすい、という性質があるため、むし歯の原因菌が出す酸にも溶けやすくなってしまいます。

根面う蝕と歯周病の関わり

根面う蝕と歯周病には大きな関わりがあります。というのも、歯周病が進行することで根面う蝕になりやすくなるからです。

歯周病が進行すると歯ぐきが下がる、というのは聞いたことがある方も多いかもしれません。この「歯ぐきが下がる」ということが、根面う蝕を引き起こしてしまうのです。

歯ぐきが下がる原因はいくつかあり、「歯周病」「間違ったブラッシング方法」「加齢」など、さまざまな要因が合わさった結果、歯ぐきを下げてしまうのです。

実際に、30代の約6割、50代ではほぼすべての人に「歯ぐきが下がっている部分」があるといわれています。歯周病だけでなく、さまざまな原因を取り除く必要があるため、まずは歯科医院で歯ぐきの下がっているところはないか、チェックしてもらいましょう。

根面う蝕の予防法

根面う蝕を予防するために気をつけておきたいポイントを見ていきましょう。

歯周病を予防する

定期的なプロフェッショナルケアを受けたり、歯周病の検査を受けることで歯周病を予防しましょう!

歯周病になると、どうしても歯ぐきは下がってしまいやすいです。そうなる前にしっかり予防しましょう。

正しい方法でブラッシングする

歯ぐきを傷つけるようなら磨き方は、歯ぐきを下げる原因となります。優しく丁寧なブラッシングで、歯ぐきを傷つけないようならお手入れを心がけましょう。

可能であれば、歯科医院でブラッシング指導を受け、正しいブラッシング方法を知ることをおすすめします。

デンタルフロス・歯間ブラシの使用

歯ブラシでのブラッシングのみではなく、デンタルフロスや歯間ブラシも積極的に使用しましょう。

ただし、間違った使い方や無理な挿入を行うと、余計に歯ぐきを下げる恐れもあるため、正しく使用することが大切です。

歯ブラシのみでは落としきれない、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目の汚れをしっかり取り除くことで、むし歯予防や歯周病予防へと繋がります。

フッ素を活用する

フッ素によるむし歯予防効果をうまく活用しましょう。高濃度フッ素を配合した歯磨き粉や、フッ素洗口液を使用することで、むし歯予防効果を得ることができます。

フッ素には歯を強化したり、補修しようとする効果があるので、根面う蝕の予防にぴったりです。

適切なケアで歯を守ろう!

根面う蝕は「大人のむし歯」として知られるほど、年齢を重ねる毎に注意が必要な病気です。セルフケアとプロフェッショナルケア、定期的な検診で、根面う蝕かは歯を守りましょう!