
2025.10.12 ブログ
【放っておくと危険!】歯周病が全身に与える意外な影響
こんにちは。京都府木津川市の「さがなかの歯医者さん やまもと」です。
今回は、多くの方が「お口だけの病気」と思われがちな歯周病について、
実は全身の健康に深く関わっているというお話をしたいと思います。
🦷歯周病は“静かに進行する”病気
歯周病とは、歯を支えている**歯ぐき(歯肉)や骨(歯槽骨)**が細菌によって炎症を起こし、
最終的には歯が抜けてしまう病気です。
日本人の成人の約8割が、程度の差こそあれ歯周病にかかっているともいわれ、
「国民病」と呼ばれるほど広がっています。
厄介なのは、痛みがほとんどないまま進行すること。
気づいたときには、歯がぐらつく、口臭が強くなる、歯ぐきが下がるなどの
深刻な状態になっていることも珍しくありません。
そして今、歯周病は「お口の中の問題」だけでなく、
全身の病気と関係していることが次々と明らかになっています。
💉全身の健康を脅かす歯周病菌
歯周病の原因となる細菌は、歯ぐきの炎症部分から血管の中へ侵入することがあります。
血液に乗って全身を巡ることで、さまざまな臓器に悪影響を及ぼすのです。
代表的な疾患との関係を見ていきましょう。
① 糖尿病との深い関係
歯周病と糖尿病は相互に悪影響を与え合う関係にあります。
糖尿病になると、免疫力が低下して歯ぐきの炎症が悪化しやすくなり、
一方で、歯周病の炎症によって分泌される**炎症性物質(サイトカイン)**が
血糖のコントロールを邪魔してしまうことも分かっています。
つまり、
「糖尿病が歯周病を悪化させ、歯周病が糖尿病を悪化させる」
という悪循環が起こるのです。
実際に、歯周病を治療することで血糖値(HbA1c)が改善するという報告もあり、
医科と歯科が連携して治療を行う重要性が注目されています。
② 心臓病・脳梗塞
歯周病菌が血流に入り込むと、血管の内側に炎症を引き起こします。
その結果、動脈硬化が進行し、
心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まることが研究で明らかになっています。
ある研究では、心臓の血管から歯周病菌が検出されたという報告もあり、
まさに「お口の中の炎症が命に関わる病気を招く」ことがあるのです。
③ 認知症
近年、アルツハイマー型認知症との関連も指摘されています。
歯周病菌の一種である**P.gingivalis(ジンジバリス菌)**が
脳内に侵入し、神経細胞を傷つける可能性があることが報告されています。
また、歯を失うことで咀嚼能力が低下し、脳への刺激が減ることも
認知機能の低下に影響していると考えられています。
④ 早産・低体重児出産
妊娠中の女性はホルモンの影響で歯ぐきが腫れやすく、歯周病になりやすい状態です。
歯周病菌や炎症性物質が血流を通じて胎盤に届くと、
子宮の収縮を早めてしまう可能性があります。
その結果、早産や低体重児出産のリスクが高まることがわかっています。
妊娠中の歯科検診やクリーニングは、お母さんだけでなく
おなかの赤ちゃんを守るためにも大切です。
⑤ 肺炎(誤嚥性肺炎)
特に高齢の方に多いのが、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)。
口の中の細菌を唾液や食べ物と一緒に誤って肺に入れてしまうことで起こります。
歯周病菌が増えている状態では、肺に入る菌の量も多くなり、
感染のリスクが高まります。
そのため、高齢者の口腔ケア=肺炎予防としてもとても重要なのです。
🌿歯周病は“生活習慣病”のひとつ
歯周病は細菌感染によって起こりますが、
実は生活習慣が大きく影響しています。
・磨き残しによるプラークの蓄積
・喫煙(タバコの中のニコチンが血流を悪化)
・ストレスや睡眠不足による免疫力低下
・糖質の多い食生活
これらが重なることで、歯周病菌が増え、炎症が悪化します。
つまり、歯周病は生活習慣病の一種といえるのです。
生活リズムや食事、そして定期的なケアを見直すことが、
歯周病予防の第一歩になります。
🪥歯周病を防ぐ3つのポイント
① 毎日の正しいセルフケア
・歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシを活用
・1日2回以上、ていねいに磨く
・歯ぐきのマッサージも効果的
② 定期的なプロフェッショナルケア
どんなに丁寧に磨いても、歯石は自分では取れません。
3~4か月ごとに歯科医院でクリーニングを受け、
歯ぐきの状態をチェックしてもらいましょう。
③ バランスの取れた生活習慣
・禁煙・節煙
・バランスの取れた食事
・十分な睡眠とストレスケア
これらの積み重ねが、歯だけでなく体全体の健康を守ります。
🌸歯を守ることは、人生を守ること
歯周病は、命に関わるような全身の病気と深くつながっています。
それは裏を返せば、歯ぐきを健康に保つことが全身の健康を守ることでもあります。
毎日のケアと定期的なチェックで、
「痛くなってから通う歯医者」ではなく、
「健康を守るために通う歯医者」へ。
私たちは、患者さん一人ひとりの健康寿命を支えるパートナーとして、
丁寧な予防と治療を行っています。
🏥まとめ
歯周病は放っておくと、
・糖尿病の悪化
・心筋梗塞・脳梗塞
・認知症
・早産
・肺炎
など、命や生活の質に直結する病気を引き起こす可能性があります。
早期発見・早期治療・継続的なケアがなにより大切です。
「最近歯ぐきが腫れる」「血が出る」など気になる症状がある方は、
ぜひ一度ご相談ください。
こんにちは。京都府木津川市の「さがなかの歯医者さん やまもと」です。
今回は、多くの方が「お口だけの病気」と思われがちな歯周病について、
実は全身の健康に深く関わっているというお話をしたいと思います。
🦷歯周病は“静かに進行する”病気
歯周病とは、歯を支えている**歯ぐき(歯肉)や骨(歯槽骨)**が細菌によって炎症を起こし、
最終的には歯が抜けてしまう病気です。
日本人の成人の約8割が、程度の差こそあれ歯周病にかかっているともいわれ、
「国民病」と呼ばれるほど広がっています。
厄介なのは、痛みがほとんどないまま進行すること。
気づいたときには、歯がぐらつく、口臭が強くなる、歯ぐきが下がるなどの
深刻な状態になっていることも珍しくありません。
そして今、歯周病は「お口の中の問題」だけでなく、
全身の病気と関係していることが次々と明らかになっています。
💉全身の健康を脅かす歯周病菌
歯周病の原因となる細菌は、歯ぐきの炎症部分から血管の中へ侵入することがあります。
血液に乗って全身を巡ることで、さまざまな臓器に悪影響を及ぼすのです。
代表的な疾患との関係を見ていきましょう。
① 糖尿病との深い関係
歯周病と糖尿病は相互に悪影響を与え合う関係にあります。
糖尿病になると、免疫力が低下して歯ぐきの炎症が悪化しやすくなり、
一方で、歯周病の炎症によって分泌される**炎症性物質(サイトカイン)**が
血糖のコントロールを邪魔してしまうことも分かっています。
つまり、
「糖尿病が歯周病を悪化させ、歯周病が糖尿病を悪化させる」
という悪循環が起こるのです。
実際に、歯周病を治療することで血糖値(HbA1c)が改善するという報告もあり、
医科と歯科が連携して治療を行う重要性が注目されています。
② 心臓病・脳梗塞
歯周病菌が血流に入り込むと、血管の内側に炎症を引き起こします。
その結果、動脈硬化が進行し、
心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まることが研究で明らかになっています。
ある研究では、心臓の血管から歯周病菌が検出されたという報告もあり、
まさに「お口の中の炎症が命に関わる病気を招く」ことがあるのです。
③ 認知症
近年、アルツハイマー型認知症との関連も指摘されています。
歯周病菌の一種である**P.gingivalis(ジンジバリス菌)**が
脳内に侵入し、神経細胞を傷つける可能性があることが報告されています。
また、歯を失うことで咀嚼能力が低下し、脳への刺激が減ることも
認知機能の低下に影響していると考えられています。
④ 早産・低体重児出産
妊娠中の女性はホルモンの影響で歯ぐきが腫れやすく、歯周病になりやすい状態です。
歯周病菌や炎症性物質が血流を通じて胎盤に届くと、
子宮の収縮を早めてしまう可能性があります。
その結果、早産や低体重児出産のリスクが高まることがわかっています。
妊娠中の歯科検診やクリーニングは、お母さんだけでなく
おなかの赤ちゃんを守るためにも大切です。
⑤ 肺炎(誤嚥性肺炎)
特に高齢の方に多いのが、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)。
口の中の細菌を唾液や食べ物と一緒に誤って肺に入れてしまうことで起こります。
歯周病菌が増えている状態では、肺に入る菌の量も多くなり、
感染のリスクが高まります。
そのため、高齢者の口腔ケア=肺炎予防としてもとても重要なのです。
🌿歯周病は“生活習慣病”のひとつ
歯周病は細菌感染によって起こりますが、
実は生活習慣が大きく影響しています。
・磨き残しによるプラークの蓄積
・喫煙(タバコの中のニコチンが血流を悪化)
・ストレスや睡眠不足による免疫力低下
・糖質の多い食生活
これらが重なることで、歯周病菌が増え、炎症が悪化します。
つまり、歯周病は生活習慣病の一種といえるのです。
生活リズムや食事、そして定期的なケアを見直すことが、
歯周病予防の第一歩になります。
🪥歯周病を防ぐ3つのポイント
① 毎日の正しいセルフケア
・歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシを活用
・1日2回以上、ていねいに磨く
・歯ぐきのマッサージも効果的
② 定期的なプロフェッショナルケア
どんなに丁寧に磨いても、歯石は自分では取れません。
3~4か月ごとに歯科医院でクリーニングを受け、
歯ぐきの状態をチェックしてもらいましょう。
③ バランスの取れた生活習慣
・禁煙・節煙
・バランスの取れた食事
・十分な睡眠とストレスケア
これらの積み重ねが、歯だけでなく体全体の健康を守ります。
🌸歯を守ることは、人生を守ること
歯周病は、命に関わるような全身の病気と深くつながっています。
それは裏を返せば、歯ぐきを健康に保つことが全身の健康を守ることでもあります。
毎日のケアと定期的なチェックで、
「痛くなってから通う歯医者」ではなく、
「健康を守るために通う歯医者」へ。
私たちは、患者さん一人ひとりの健康寿命を支えるパートナーとして、
丁寧な予防と治療を行っています。
🏥まとめ
歯周病は放っておくと、
・糖尿病の悪化
・心筋梗塞・脳梗塞
・認知症
・早産
・肺炎
など、命や生活の質に直結する病気を引き起こす可能性があります。
早期発見・早期治療・継続的なケアがなにより大切です。
「最近歯ぐきが腫れる」「血が出る」など気になる症状がある方は、
ぜひ一度ご相談ください。