saganaka_no_haishasan

2025.12.14 ブログ

インプラントが不安な人へ

抜歯後の“現実的な代替案”と本当のメリット・デメリット**

歯を抜いたあと、治療の説明を受けて
「インプラントが一番いいですよ」
と言われたものの、

  • 手術が怖い
  • 本当に必要なのか分からない
  • 高そうで不安
  • 失敗したらどうなるの?

こう感じたことはありませんか?

実は、インプラントに不安を感じるのはとても自然なことです。
歯科医師である私たちから見ても、
インプラントは「誰にでも・必ず」おすすめする治療ではありません。

この記事では、

  • なぜインプラントが怖く感じるのか
  • インプラント以外の現実的な選択肢
  • それぞれのメリット・デメリット
  • 「結局どう選べばいいのか」

を、正直に・分かりやすく解説します。


1. なぜインプラントは不安に感じるのか?

患者さんからよく聞く不安は、主にこの4つです。

● 手術が怖い

「骨にネジを入れる」と聞くだけで、怖くなるのは当然です。

● 失敗したらどうなるの?

ネットで「インプラント 失敗」と検索して、余計に不安になる方も多いです。

● 費用が高い

自由診療なので、金額がはっきりしないことも不安の原因になります。

● 本当に必要なのか分からない

「他にも方法があるんじゃないの?」
この疑問、とても大切です。

👉 まず大前提として
インプラントを選ばなくても、治療はできます。


2. インプラント以外の“現実的な代替案”は?

抜歯後の治療には、主に次の選択肢があります。

  • ブリッジ
  • 入れ歯(義歯)

それぞれ、しっかりメリット・デメリットがあります。


**3. ブリッジという選択肢

― 固定式で違和感が少ない方法 ―**

ブリッジは、失った歯の両隣を削って、橋をかけるように歯を作る治療です。

■ メリット

  • 固定式で外れない
  • 比較的早く噛める
  • 保険適用が可能なケースがある
  • 手術が不要

■ デメリット

  • 健康な歯を削る必要がある
  • 支えの歯に負担が集中する
  • 将来的にやり替えが必要になることがある
  • 骨が痩せるのを防げない

👉 「短期間・費用を抑えたい」「手術は避けたい」
という方には現実的な選択肢です。

ただし、
“将来その歯を守れるか”という視点は必須です。


**4. 入れ歯(義歯)という選択肢

― 体への負担が少ない方法 ―**

取り外し式の入れ歯は、今も多くの方が選んでいる治療法です。

■ メリット

  • 手術が不要
  • 保険適用で費用を抑えられる
  • 多数の歯を失っていても対応できる
  • 修理や調整がしやすい

■ デメリット

  • 噛む力が弱い
  • 違和感を感じやすい
  • バネが目立つことがある
  • 外れる不安がある

👉 「年齢的に手術は避けたい」「まずは最低限で」
という方には十分な選択肢です。

ただし、
噛む力・快適性はインプラントに劣ることは理解が必要です。


5. それでもインプラントが選ばれる理由

ここで、あえて正直にお伝えします。

インプラントが多くの歯科医師に選ばれるのは、
“条件が合えば、最も歯に近い機能を回復できる治療”
だからです。

■ インプラントの強み

  • 周りの歯を削らない
  • 噛む力が天然歯に近い
  • 見た目が自然
  • 骨が痩せにくい
  • 長期的に安定しやすい

👉 つまり
「怖い」=「悪い治療」ではない
ということ。

不安がある場合は、
「説明が足りていない」だけのことも多いのです。


6. インプラントを“選ばなくていい人”もいる

ここが大事なポイント。

■ 無理にインプラントを選ばなくていいケース

  • 骨の状態が著しく悪い
  • 全身疾患のコントロールが難しい
  • メンテナンスが継続できない
  • 本人が強く不安を感じている

治療は
「納得して受けられるかどうか」
が何より大切です。


7. 結局どう選べばいいの?迷ったときの考え方

迷ったときは、次の3つを自分に問いかけてみてください。

1️⃣ 手術への不安は「説明不足」か「本当に嫌」か
2️⃣ 今後、どれくらいその歯を使い続けたいか
3️⃣ 将来の歯の本数・噛み合わせまで考えられているか

この答えによって、
正解は人それぞれ変わります。


8. まとめ:インプラントは“選択肢の一つ”でいい

インプラントは
✔ 最強でも
✔ 唯一でも
ありません。

ブリッジ・入れ歯・インプラント
どれにも役割があり、向き・不向きがあります。

大切なのは、

  • 不安を我慢しない
  • 分からないまま決めない
  • 放置しない

この3つ。

「さがなかの歯医者さん やまもと」では、
インプラントを無理にすすめることはありません。

患者さんが
「これなら納得できる」
そう思える選択を、一緒に考えることを大切にしています