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2025.12.21 ブログ

抜歯後の選択肢の費用を徹底比較!

保険診療と自由診療の『本当の違い』を歯科医師が正直に解説

歯を抜いたあと、多くの患者さんが心の中で思っていること。
それは――

「で、結局いくらかかるの?」

でも実際の診療室では、
✔ お金の話を切り出しにくい
✔ 比較の基準が分からない
✔ 「高い治療をすすめられそうで不安」

そんな理由から、十分に理解しないまま治療を選んでしまう方も少なくありません。

この記事では、
抜歯後の代表的な治療法について「費用」を軸に
保険診療と自由診療の違いを、歯科医師の立場から正直に解説します。


1. 抜歯後の治療で選べる3つの選択肢

まず、抜歯後の治療法は大きくこの3つです。

  • ブリッジ
  • 入れ歯(義歯)
  • インプラント

そして重要なのは、
この3つは「保険でできる部分」と「自由診療になる部分」が大きく違う
という点です。


2. そもそも保険診療と自由診療って何が違う?

■ 保険診療とは

  • 国が定めたルール内の治療
  • 材料・方法・回数が決められている
  • 費用は比較的安い
  • 「最低限の機能回復」が目的

■ 自由診療とは

  • 医院ごとに治療内容を設計できる
  • 材料・方法に制限がない
  • 費用は高くなりやすい
  • 「機能・見た目・長期安定」を重視

👉 安い=悪い、高い=正解
ではありません。
目的が違う、というのが正しい理解です。


3. ブリッジの費用比較(保険 vs 自由診療)

■ 保険のブリッジ

  • 費用目安:2〜3万円前後(3割負担)
  • 素材:銀歯 or 前歯はプラスチック
  • メリット:安い・早い
  • デメリット:
    • 見た目に限界
    • 割れ・摩耗が起こりやすい
    • 将来的にやり替えが必要になりやすい

■ 自由診療のブリッジ

  • 費用目安:1本あたり10〜15万円前後
  • 素材:セラミックなど
  • メリット:
    • 見た目が自然
    • 汚れがつきにくい
    • 耐久性が高い
  • デメリット:費用が高い

👉 短期的コスト重視 → 保険
👉 長期的安定・審美性重視 → 自由診療


4. 入れ歯の費用比較(保険 vs 自由診療)

■ 保険の入れ歯

  • 費用目安:5,000円〜1万5,000円程度
  • メリット:とにかく安い
  • デメリット:
    • 厚みがあり違和感が出やすい
    • 噛む力が弱い
    • 見た目に制限がある

■ 自由診療の入れ歯

  • 費用目安:10万〜50万円以上
  • 種類:
    • 金属床
    • ノンクラスプデンチャー
  • メリット:
    • 薄くて快適
    • 見た目が自然
    • 噛みやすい
  • デメリット:費用が高い

👉 「使えればOK」なら保険
👉 「快適に長く使いたい」なら自由診療


5. インプラントの費用はなぜ高いのか?

■ インプラント(自由診療のみ)

  • 費用目安:1本30〜50万円前後
  • 保険適用:原則なし(特殊例を除く)

■ 高額になる理由

  • 精密検査(CTなど)
  • 外科手術
  • 高品質な材料
  • 長期管理・メンテナンス
  • 周りの歯を守る構造

👉 インプラントは
「歯を1本買う」治療ではなく、
「将来の歯を守る仕組みを作る治療」

と考えると分かりやすいです。


6. よくある誤解:「保険で十分ですよね?」

これは非常によく聞かれる質問です。

答えは――
「人によります」

  • 年齢
  • 残っている歯の状態
  • 噛み合わせ
  • 将来どれくらい歯を使いたいか

これによって
保険がベストな人も、自由診療が合理的な人もいます。


7. 本当に見るべきは「トータルコスト」

ここが一番大事なポイント。

■ 例)

  • 保険ブリッジを10年ごとに作り直す
  • 自由診療で20年以上もつ治療をする

最終的にかかる総額は逆転することも珍しくありません。

安さだけで選ぶと、
結果的に「高くつく」こともあるのが歯科治療です。


8. 後悔しないための費用の考え方3つ

「今の金額」だけで判断しない
「何年使うか」を考える
「他の歯への影響」を含めて考える

この3つを意識するだけで、
選択の質は大きく変わります。


9. まとめ:費用は“価値”で考える

抜歯後の治療費は、
単なる出費ではありません。

  • 噛める喜び
  • 食事の楽しさ
  • 将来の歯の本数
  • 健康寿命

これらすべてへの投資です。

「さがなかの歯医者さん やまもと」では、
無理に自由診療をすすめることはありません。

患者さんの

  • 価値観
  • 生活
  • 将来像

に合わせて、
「この人にとって納得できる費用と治療」
を一緒に考えることを大切にしています