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2025.09.07 ブログ

歯は“削る”より“守る”時代へ

最新の虫歯治療と予防の考え方


はじめに

かつて虫歯治療といえば「削って詰める」のが当たり前でした。虫歯を見つけたら、削って取り除き、金属や樹脂で穴を埋める——。この流れが長く標準的な治療法とされてきました。
しかし今の歯科医療は大きく変わりつつあります。大切なのは「削る」ことではなく「守る」こと。できる限り歯を残す、神経を残す、歯の寿命を延ばす——そのための治療や予防の考え方が広がってきています。

この記事では「歯を削らず守る」ための最新の虫歯治療や予防の考え方を、当院「さがなかの歯医者さん やまもと」の取り組みも交えながらご紹介します。


1. なぜ削らない方がいいのか?

歯は一度削ってしまうと、二度と元に戻ることはありません。
削れば削るほど歯は弱くなり、再び虫歯になりやすくなります。さらに、削る範囲が広がれば神経を取らざるを得なくなり、歯の寿命は大きく縮まってしまうのです。

つまり「削らないで済む」ことこそが最大の治療であり、歯を長く残す秘訣なのです。


2. 最新の虫歯治療の考え方「MI治療」

近年注目されているのが MI治療(Minimal Intervention:最小限の侵襲治療) です。
これは「できるだけ削らずに、虫歯の部分だけを最小限に取り除く」という考え方。

MI治療の具体的な方法

  • 虫歯の進行度を正確に診断
     拡大鏡でしっかり観察し、必要最小限の処置を選択します。
  • コンポジットレジン(白い詰め物)の活用
     小さな虫歯であれば、歯を大きく削らずに白い詰め物で治せます。
  • 神経を残す治療
     虫歯が神経に近い場合でも、神経を保護する薬剤を使って歯の寿命を延ばす工夫をします。

当院では「拡大鏡」を用いた精密な治療で、できる限り健康な部分を残すことを心がけています。


3. 削らないために大切な「予防」

治療が必要になる前に、そもそも虫歯を作らないことが理想です。そのためには、日常のセルフケアと歯科医院での定期的なチェックが欠かせません。

ご自宅でできる予防

  • 毎日の歯みがき(特に寝る前の丁寧なケア)
  • フッ素入り歯みがき粉の活用
  • 食生活の見直し(砂糖の摂りすぎに注意)

歯科医院でできる予防

  • 定期検診(3~6か月ごとがおすすめ)
  • プロによるクリーニング(PMTC)
  • フッ素塗布やシーラントで歯を強くする

これらを組み合わせることで、虫歯を未然に防ぎ、歯を削らずに済む未来につながります。


4. 削らない治療の選択肢

「虫歯=削る」と思われがちですが、初期の虫歯であれば削らずに経過観察やフッ素塗布で改善が期待できる場合もあります。

削らない治療の一例

  • 初期虫歯の再石灰化
     歯の表面が白く濁る程度の虫歯は、フッ素や唾液の働きで自然に修復される可能性があります。
  • 予防充填(シーラント)
     虫歯になりやすい奥歯の溝に樹脂を流し込み、虫歯予防を行います。

こうした「歯を守る治療」を選ぶためには、早期発見がとても大切です。


5. 当院「さがなかの歯医者さん やまもと」の取り組み

当院では「歯を残す」を第一に考え、以下のような方針で診療を行っています。

  • 拡大鏡を使った精密治療
     虫歯の取り残しを防ぎ、健康な部分は極力削りません。
  • 患者さんごとにオーダーメイドの予防プラン
     唾液検査や生活習慣のヒアリングを通して、最適な予防方法を提案します。
  • 定期的な検診の推奨
     小さな虫歯も早期に発見し、削らずに済む方法を検討します。

「削って治す」から「守って育てる」へ。
私たちは、患者さんの大切な歯を1本でも多く残すことを使命としています。


まとめ

歯科医療は「削る時代」から「守る時代」へと大きく変わってきました。

  • 削ると歯は弱くなる
  • MI治療で最小限の処置が可能
  • 予防と早期発見で削らずに済む
  • 歯を守ることは全身の健康にもつながる

「歯は一生の宝物」です。
小さな虫歯でも「削らず守れる」可能性があります。気になる症状がある方、予防を始めたい方はぜひ一度「さがなかの歯医者さん やまもと」にご相談ください。