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2023.10.02 ブログ

MFT(口腔筋機能療法)について

「歯並びが悪いのは遺伝だから」と思っていませんか?骨格の遺伝によって親子の歯並びが似る、ということは確かにありますが、歯並びには生活習慣や癖が大きく影響するといわれています。

今回は、歯並びに影響する筋力バランスを整えるトレーニング「MFT(口腔筋機能療法)」について、お話します。

MFTとは?

MFTは「Oral Myofunctional Therapy」の略称で、歯並びに影響する筋肉の動きを整えていくトレーニングです。飲み込んだり、お話をしたり、食事をしたりするときの舌や唇の使い方を整えるトレーニングを行うことで、舌を正しい位置へ動かします。

成長段階のお子さまに好ましくないおくちの癖や生活習慣があると、歯並びや咬み合わせに悪影響を与えてしまいます。歯並びが乱れる原因となる癖や生活習慣は、次の通りです。

  • 指しゃぶり
  • 口呼吸
  • 歯ぎしり・食いしばり
  • 爪噛み・唇噛み
  • 頬杖・横向き寝
  • 早食い・丸呑み

これらの癖は、なるべくはやめに意識して改善することをおすすめします。

MFTの効果

MFTでトレーニングを行うことで、歯並びや噛み合わせが崩れたりするリスクを抑えることができます。矯正治療をスムーズに行うことができたり、矯正治療後のあと戻りを防ぐことにもつながるため、とても大切なトレーニングです。歯並びを整えたい場合には、MFTと矯正治療を並行して受けることをおすすめします。

MFTでのトレーニングにはさまざまな効果が期待でき、歯並びの改善だけでなく健康面でも効果を発揮します。大人になってからMFTを行うと、今後おくちの機能が低下してしまうことを予防することが期待できます。

MFTでのトレーニング方法

トレーニングに特別な装置が必要がなく、気軽にとりいれることができるのもMFTでのトレーニングの魅力です。MFTのトレーニング方法にはいくつかありますが、そのなかでもよく用いられるものを3つご紹介します。

あいうべ体操

あいうべ体操は、口呼吸を鼻呼吸へと改善するおくちの運動です。口呼吸の改善のみではなく、口元のたるみやシワを改善できたり、脳の血流アップに繋がったりとさまざまな効果が期待できますので、子どもからご老人まで一緒にトレーニングしてみましょう!

1.「あー」と大きく口を開く(1秒キープ)

2.「いー」と横に口を開く(1秒キープ)

3.「うー」と前に唇を突き出す(1秒キープ)

4.「べー」と舌をあごの方へと突き出す(1秒キープ)

1〜4を10回繰り返します。10回を1セットとして、1日3セット行うと効果的です。

スポットポジション

スポットポジションとは、舌の先をつけておく正しい位置のことを指します。正しい位置に舌を置くことで、舌の間違った癖を取り除く訓練をします。舌が歯を押すような癖があると、出っ歯や開咬(前歯が噛みあわない歯並び)になりやすいので注意が必要です。トレーニングとしては、意識をして正しい位置に舌を置くようにする、というものになります。

ポッピング

ポッピングとは、舌先をスポットポジションに当てた状態で舌を上あごに吸い付くようにぐっと持ち上げ、そのまま口をできるだけ大きく開けて舌で「ポンッ」と音を鳴らすトレーニングです。

最後に

MFTでは、患者さまの状態に合わせてさまざまなトレーニングを行います。ご家庭でも簡単に行うことができるトレーニングばかりなので、気軽にスタートしやすいのもポイントです。

おくちに限らず、癖というものは時間が経つほど治すことが難しくなります。幼いうちからトレーニングをすることで、気付かないうちに変な癖がついてしまわないようにしていきましょう。