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2025.09.28 ブログ

抜歯を避けたいあなたへ

歯を残すためにできる最新治療と選択肢


はじめに

「先生、この歯はもう抜くしかないんですか?」
歯科医院でこう尋ねられることは少なくありません。

確かに、虫歯や歯周病が進行しすぎると抜歯が避けられないケースもあります。しかし近年の歯科医療では「できる限り歯を残す」ための治療法が進歩しており、従来なら抜歯と判断されていた歯でも、残せる可能性が広がっています。

この記事では「抜歯を避けるための最新治療」や「歯を残す選択肢」についてご紹介します。


1. なぜ歯を抜きたくないのか?

患者さんが「できれば抜きたくない」と考えるのには理由があります。

  • 自分の歯に勝るものはない
  • 抜歯するとブリッジや入れ歯、インプラントなど補綴治療が必要になる
  • 見た目や噛み合わせに影響する
  • 費用や通院負担が増える

何より、自分の歯で食べられる喜びは健康寿命にも直結します。だからこそ「抜かない努力」が大切なのです。


2. 抜歯になりやすいケース

ただし、歯を残すことが難しい状況もあります。

  • 虫歯が深く進行し、根の奥まで到達している
  • 根の先に大きな膿ができている
  • 歯が縦に割れてしまった
  • 重度の歯周病で支える骨がほとんど溶けている

こうしたケースでも「最新治療を組み合わせれば残せる」可能性があるのが今の歯科医療です。


3. 抜歯を避けるための最新治療

① 根管治療(歯の根の治療)

神経が感染してしまっても、丁寧に根管治療を行うことで歯を残せる場合があります。
拡大鏡を使った精密治療により、感染源をしっかり取り除くことが可能です。

② 歯根端切除術

根管治療をしても膿が引かない場合、根の先端を外科的に切除して歯を残す方法です。
前歯など審美的に重要な部分で選択されることがあります。

③ 矯正的挺出(きょうせいてきていしゅつ)

虫歯が歯ぐきの奥まで進んでいる場合、矯正の力を使って歯を少し引き上げ、健康な部分を露出させてから被せ物を装着する方法です。

④ 再植・移植

一度抜いた歯をきれいに処置して元の場所に戻す「再植」や、親知らずを失った部分に移植する方法もあります。成功率は条件次第ですが、歯を残す選択肢の一つです。

⑤ 歯周外科治療

歯周病で骨が溶けてしまった場合でも、歯周外科や再生療法によって歯を支える土台を回復させられる場合があります。


4. 歯を残せるかどうかの判断基準

歯を残せるかどうかは、「どのくらい歯質や骨が残っているか」で変わります。
そのため当院では、拡大鏡による精密診断やレントゲン・CT撮影を行い、保存可能性を慎重に見極めています。

大切なのは「すぐに抜歯と決めつけないこと」です。
一度「抜くしかない」と言われても、別の歯科医院でセカンドオピニオンを受けると残せる可能性が見つかることもあります。


5. 当院の考え方と取り組み

「さがなかの歯医者さん やまもと」では、以下の方針で診療を行っています。

  • 保存を第一に
     抜歯は最後の手段。可能な限り歯を残す治療を優先します。
  • 拡大鏡による精密治療
     虫歯や感染を徹底的に取り除き、最小限の削除で歯質を守ります。
  • 複数の治療選択肢を提示
     根管治療・外科処置・矯正的挺出など、残せる可能性を広げる方法を提案します。
  • 患者さんと一緒に判断
     残すリスクと抜くメリットを比較し、納得いただいたうえで治療を進めます。

6. 患者さんができること

歯を残せる可能性を高めるには、患者さんご自身の行動も重要です。

  • 「痛くないから大丈夫」と放置しない
  • 定期検診で小さな異変を早期発見
  • 虫歯・歯周病の予防を徹底する
  • 治療中に自己判断で中断しない

早く見つけるほど、残せる可能性は高くなります。


まとめ

  • 抜歯は最終手段。今は多くの歯が残せる時代
  • 根管治療・歯根端切除術・矯正的挺出・再植などの選択肢がある
  • 拡大鏡を用いた精密診断で可能性を見極めることが重要
  • 患者さん自身の予防習慣と早期受診が、歯を残すカギ

「抜くしかない」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。
当院では「できるだけ歯を残す治療」をモットーに、患者さん一人ひとりに最適な方法をご提案しています。

自分の歯で食べる喜びを、少しでも長く続けられるように——。
一緒に大切な歯を守っていきましょう。