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2023.09.05 ブログ

ラバーダム防湿という治療方法

歯科治療において、治療部位は清潔に保つ必要があります。

では、どのようにして細菌の流入を防ぐことができるのでしょうか?

今回は、ラバーダム防湿についてお話しします。

・ラバーダム防湿とは?

ラバーダム防湿とは、治療する歯をゴム製のシートで囲って行う治療法です。

治療したい歯だけをシートから露出させることで、隔離することができます。

日本での普及率は低く使用しない歯科医院も多いですが、海外では使用する歯科のほうが多いです。

ラバーダム防湿を行うことで治療の成功率が上がる、という研究データもあります。

・ラバーダム防湿の必要性

では、どのようなときに、ラバーダム防湿を行うのでしょうか?

ラバーダム防湿をよく用いる治療をいくつかご紹介します。

・歯の神経の処置をする時

歯の神経の治療をするときには、歯の中にある細い管の中にある感染した神経を取り除き、しっかり消毒して封鎖する必要があります。

このとき唾液が混ざるとむし歯再発のリスクが増加するので、唾液を遠ざけるためにラバーダム防湿が有効です。

神経の治療ではさまざまな薬剤で消毒・清掃を行うため、それらの薬剤が喉の方へ流れ込むのを防ぐことも可能です。

・歯の修復治療をする時

むし歯を取り除いたあとにプラスチックを詰めて修復する治療法がありますが、このときにもラバーダム防湿は効果を発揮します。

唾液に含まれる細菌が残ったままフタをするとそこからむし歯が再発することがあるので、しっかり水洗いして乾燥させる必要があります。

また、修復箇所が濡れているとプラスチックがうまく接着できないことがあります。

不十分な治療となるとむし歯再発のリスクが高くなるため、ラバーダム防湿でしっかり乾燥させて行うことも多いです。

・お子さまの治療をする時

お子さまは唾液の量も多く、おくちの中はお風呂場のように湿気の多い環境です。

ラバーダム防湿をすることで、治療する歯を乾燥した環境へと隔離することができます。

むし歯の再発リスクを下げるためには、しっかりと乾燥した環境で治療する必要があります。

また、お子さまのおくちの中はとても狭く、視野の確保が難しいことも多いです。

ラバーダム防湿を行うと治療部位が隔離され見えやすくなりますので、治療に集中しやすくなります。

万が一の誤飲も防げるので、安全に治療を行うためにラバーダム防湿は効果的です。

・ラバーダム防湿を行うメリット・デメリット

ラバーダム防湿をおこなうメリット・デメリットを簡単にみていきましょう。

メリット

  • 治療する歯を清潔な状態に保つ
  • より丁寧な治療が可能になる
  • より安全な治療を受けることができる

ラバーダム防湿をすると、治療を行う歯を清潔に保つことができます。

手術するときのことを考えてみてください。

手術のときは手術部位を消毒し、なるべく清潔な状態でおこなうのが一般的ですよね。

むし歯の場合も同じで、より清潔な状態で治療を行うことで再発や悪化を防ぐことに繋がります。

また、頬や舌といった柔らかい組織を傷つける心配もなくなります。

治療部位が見えやすくなることでドクターも治療に専念できますし、なにより安全に治療を受けていただけることは、患者さまへの最大のメリットといえるのではないでしょうか。

デメリット

  • 長時間、口を開け続ける必要がある
  • 鼻呼吸の方、ゴムアレルギーの方には使用できないことも

ラバーダム防湿をしている間は、口を開けたままにしておく必要があります。

鼻呼吸の苦手な方は息苦しさを感じやすいので、控えたほうが無難でしょう。

また、ラバーダムはゴムのシートを用いるので、ゴムのアレルギーのある方はご相談ください。