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2026.09.13 ブログ

歯科医師の僕なら、こう選ぶ。

第5回「もし僕が『歯周病です』と言われたら、何から始めるのか?」

院長メッセージ

こんにちは。

さがなかの歯医者さんやまもと 院長の山本真志です。

シリーズ、

「歯科医師の僕なら、こう選ぶ。」

第5回です。

今回のテーマは、

「もし僕が『歯周病です』と言われたら、何から始めるのか?」

です。

もし歯医者さんで突然、

「歯周病がありますね」

「歯を支えている骨が少し減っています」

と言われたら、皆さんはどう感じるでしょうか。

「え?痛くないけど?」

「普通に噛めているけど?」

「歯磨きも毎日しているのに?」

そう思う方も多いと思います。

僕も、自分が患者だったらショックだと思います。

では歯科医師である僕自身が、

「あなたは歯周病です」

と言われたらどうするのか。

最初に答えを言います。

僕なら、

いきなり特別な治療を探しません。

まず、

「今、自分の口の中で何が起きているのか」を徹底的に知ろうとします。

なぜなら歯周病は、

痛みだけでは状態を判断できない病気だからです。


僕なら最初に「どのくらい悪いのか」を聞きます

「歯周病です」

これだけでは、僕なら治療を始めません。

まず聞きます。

どこの歯が悪いのか。

歯周ポケットはどの程度なのか。

出血している場所はどこなのか。

レントゲンでは骨の状態はどう見えるのか。

歯は揺れているのか。

磨き残しはどこに多いのか。

噛み合わせの影響はないのか。

そして、

今の状態がどの程度なのか。

ここを理解したいと思います。

歯周病といっても、すべて同じではありません。

軽度の状態と、歯を支える組織が大きく失われた状態では、当然治療も変わります。

だから僕なら、

「歯周病ですね」と言われて終わるのではなく、

「僕の歯周病を説明してください」

とお願いします。


「痛くない」は、僕なら安心材料にしません

もし、

「でも全然痛くないんですよ」

と感じたとしても、

僕ならそこでは安心しません。

なぜなら歯周病の怖さを知っているからです。

歯周病は、進行していても強い痛みが出ないことがあります。

少し歯ぐきから血が出る。

少し口臭が気になる。

少し歯ぐきが下がった。

それくらいの変化しか感じないまま進むこともあります。

そして、

「歯がグラグラする」

と気づいた時には、かなり進行している場合があります。

だから僕なら、

痛みではなく、検査結果を見ます。

痛いかどうかではなく、

歯を支えている組織が今どうなっているのか。

そこを基準に考えます。


次に僕なら「なぜ歯周病になったのか」を考える

ここが非常に重要です。

歯周病になった。

では、

「クリーニングしてください」

だけで終わるのか。

僕なら終わりません。

なぜ自分が歯周病になったのか?

を考えます。

磨き残しが多いのか。

フロスや歯間ブラシを使っていなかったのか。

歯石が多く付着しているのか。

喫煙習慣があるのか。

糖尿病など全身状態との関係はないのか。

噛み合わせや歯ぎしりによる負担はどうなのか。

口が乾きやすくないか。

さまざまな要因を考えます。

歯周病は、

歯科医院で歯石を取ってもらうだけで終わる病気ではありません。

毎日の生活の中に、改善できる原因がないかを見ることが大切です。


僕なら、自分の歯磨きを一度疑います

「毎日ちゃんと磨いています。」

患者さんからよく聞く言葉です。

でも、

僕自身が歯周病と言われたら、

「僕は歯医者だからちゃんと磨けているはず」

とは思いません。

一度、自分の磨き方を疑います。

なぜなら、

「磨いている」と「磨けている」は違う

からです。

毎日3回磨いていても、同じ場所に汚れが残っていたら、その場所では炎症が続きます。

だから僕なら、

染め出しなども使って、

どこに磨き残しがあるのかを見てもらいます。

そして歯科衛生士さんに、

「僕の磨き方、どこを変えた方がいいですか?」

と聞きます。

歯科医師だから恥ずかしい?

全然思いません。

自分の歯を守れるなら、何でも聞きます。


フロスや歯間ブラシも見直します

歯周病対策では、

歯ブラシだけでなく、歯と歯の間の清掃も重要です。

僕なら、

フロス。

歯間ブラシ。

どちらが自分に合っているのか。

歯間ブラシなら、どのサイズが適切なのか。

使い方は正しいのか。

そこまで確認します。

自己流で何年も続けるより、

一度プロに見てもらった方が早い。

これは歯科医師である僕自身でも同じです。


歯石を取っただけで「治った」とは考えません

歯石を取ってもらう。

歯がツルツルになる。

口の中がスッキリする。

すると、

「治った!」

と思いたくなります。

でも僕なら、

そこで終わったとは考えません。

大切なのは、

その後、歯ぐきの炎症がどう変化したのか

です。

出血は減ったのか。

歯周ポケットはどう変わったのか。

磨き残しは減ったのか。

必要に応じて、さらに処置が必要なのか。

治療前と治療後を比較します。

つまり、

「掃除してもらって気持ちよかった」

ではなく、

「病気がどう変化したか」

を見ます。


僕なら「1回で治してください」とは言いません

もし僕自身が歯周病なら、

「今日全部きれいにして終わりにしてください」

とは言わないと思います。

歯周病の状態によっては、治療や再評価に時間が必要になります。

毎日のセルフケアを変え、

歯科医院で必要な処置を受け、

状態を確認する。

そしてまた改善する。

地味です。

正直、派手な治療ではありません。

でも、

歯周病治療は、この地味な積み重ねがものすごく大切

だと思っています。


もし喫煙していたら、僕なら本気でやめることを考えます

これはかなり本音です。

もし僕が喫煙者で、

さらに歯周病だと言われたら、

禁煙を本気で考えます。

歯科医院でどれだけ治療を受けても、

自分自身がリスクを高める習慣を続けていたら、もったいないからです。

これはタバコだけの話ではありません。

全身の健康状態。

睡眠。

食生活。

ストレス。

自分で変えられる部分があるなら、

僕ならできる範囲で変えます。

歯周病治療を、

「歯医者さんが治してくれるもの」

だけにはしません。

自分も治療に参加します。


僕なら「治療が終わった後」を一番大切にします

歯周病の治療を受けた。

状態が改善した。

出血も減った。

ここで、

「よかった!終わり!」

ではありません。

僕なら、

むしろここからを大切にします。

なぜなら、

歯周病は再び悪化する可能性があるからです。

毎日のセルフケア。

定期的なメンテナンス。

状態のチェック。

必要に応じた噛み合わせなどの確認。

これを続けます。

僕が目指すのは、

「一度きれいになった口」ではありません。

「10年後も安定している口」

です。


メンテナンスの間隔も「みんな同じ」とは考えません

「定期検診は半年に1回でいいですか?」

よく聞かれます。

でも僕自身なら、

回数だけを先に決めません。

歯周病の程度。

磨き残し。

出血。

歯石の付きやすさ。

全身状態。

生活習慣。

こういったリスクを見ながら、

自分に合った間隔を相談します。

人によっては短い間隔で管理した方がいい場合もあります。

状態が安定していれば、別の間隔になることもあります。

大切なのは、

「何か月に1回が正解か」ではなく、「自分には何か月が必要なのか」

です。


そして僕なら「歯を残す優先順位」を考えます

もし歯周病が進行していて、

何本か状態の厳しい歯があったら。

僕なら、

全部の歯を同じようには考えません。

どの歯が今後重要なのか。

どの歯を残せる可能性があるのか。

どこに強い負担がかかっているのか。

無理に残すことが、逆に周囲へ悪影響を与えないか。

口全体を見て考えます。

「何が何でも全部残す」

というのも、

僕は少し違うと思っています。

目標は、

歯を1本でも多く残したという数字ではありません。

10年後、20年後に口全体が安定して、しっかり食べられること。

僕なら、そこを目標にします。


歯周病になったことを後悔するより、今日から変える

もし僕が歯周病と言われたら、

もちろんショックだと思います。

「もっとちゃんと磨いておけばよかった」

と思うかもしれません。

でも、

過去を責めても骨は戻りません。

だから僕なら、

すぐに考え方を変えます。

「じゃあ、今日から何ができる?」

と。

磨き方を変える。

フロスや歯間ブラシを見直す。

必要な治療を受ける。

生活習慣を見直す。

メンテナンスを続ける。

今残っている歯を守る。

歯周病と診断された日は、

「歯を失う未来が決まった日」ではありません。

僕なら、

「これ以上悪くしないために行動を始める日」

だと考えます。


結局、僕ならどうする?

今回の答えです。

もし僕が、

「歯周病です」

と言われたら。

まず、

自分の歯周病の状態を詳しく知ります。

歯周ポケット。

出血。

骨の状態。

歯の揺れ。

磨き残し。

そして、

なぜ歯周病になったのかを考えます。

自分の歯磨きを疑います。

セルフケアを見直します。

必要な歯周病治療を受けます。

治療後に再評価してもらいます。

そして、

状態が良くなった後もメンテナンスを続けます。

僕なら、

特別な治療を探す前に、

この基本を徹底します。

なぜなら、

歯周病で歯を守るために本当に大切なのは、

一度のすごい治療ではなく、

正しいことを、長く続けること

だと思っているからです。


最後に

歯周病と言われると、

不安になると思います。

「歯が抜けるんですか?」

「もう手遅れですか?」

そんな質問をいただくこともあります。

でも、

歯周病の状態は一人ひとり違います。

だから、

ネットで調べて怖くなる前に、

まず自分のお口の状態を知ってください。

分からないことは聞いてください。

「僕は今どのくらいなんですか?」

「どの歯が一番心配ですか?」

「何を変えればいいですか?」

「10年後に歯を残すために何をすればいいですか?」

何でも聞いてください。

私たちが大切にしているのは、

「話をしましょう」

ということです。

歯周病は、

歯科医院だけで向き合う病気ではありません。

患者さんだけで向き合う病気でもありません。

一緒に状態を知って、

一緒に治療して、

一緒に管理していく。

そんな関係が大切だと思っています。

今日より若い歯は、

もう二度とありません。

だから、

悪くなったことを責めるより、

今日から守る。

僕自身なら、そうします。

そして患者さんにも、

今残っている歯を、

一緒にできるだけ長く守っていきたいと思っています。


次回予告

第6回「もし僕が『この歯は抜いた方がいい』と言われたら、すぐ抜くのか?」

歯科医師から、

「この歯を残すのは難しいです」

と言われた。

でも痛くない。

まだ噛める。

本当に抜かなければいけないのか?

僕自身なら、

その場ですぐに「抜いてください」とは言わないと思います。

では何を確認するのか。

どこまで歯を残すことにこだわるのか。

そして、

どんな状態なら「抜く」という決断をするのか。

次回は、

「歯を残すこと」と「歯に執着すること」の違い

まで踏み込んで、本音でお話しします。