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2026.10.25 ブログ

歯医者に聞きたいけど、聞けなかった10の質問

第1回「歯がボロボロで恥ずかしい。歯医者さんは正直どう思っているの?」

院長メッセージ

こんにちは。

京都府木津川市にある「さがなかの歯医者さんやまもと」院長の山本真志です。

今回から、新しいブログシリーズを始めます。

タイトルは、

「歯医者に聞きたいけど、聞けなかった10の質問」

です。

歯科医院で診療をしていると、患者さんからさまざまな質問をいただきます。

「この歯は残せますか?」

「治療は痛いですか?」

「何回くらい通えばいいですか?」

「保険で治療できますか?」

どれも大切な質問です。

でも、僕は思うことがあります。

患者さんには、聞きたいけれど聞けない質問が、まだまだたくさんあるのではないか。

こんなことを聞いたら失礼かな。

怒られないかな。

恥ずかしいな。

そう思って、言葉にできないことがあるかもしれません。

だから今回のシリーズでは、普段なかなか聞けない質問に、歯科医師としてできるだけ本音で答えていきたいと思います。

記念すべき第1回のテーマは、

「歯がボロボロで恥ずかしい。歯医者さんは正直どう思っているの?」

です。

今日は、少しだけ歯科医師の本音をお話しします。


「こんな口を見せたら、怒られるかもしれない」

歯科医院に何年も行っていない。

虫歯がたくさんある。

歯が欠けている。

歯ぐきから血が出る。

口臭が気になる。

そうした状態が続くと、歯科医院に行くこと自体が怖くなってしまう方がいます。

「もっと早く来ればよかったのに」と言われそう。

「どうしてここまで放っておいたんですか?」と怒られそう。

「こんなに悪い人は珍しい」と思われそう。

そんな不安があるのかもしれません。

でも、僕は最初に一つだけお伝えしたいことがあります。

歯科医院は、口の中がきれいな人だけが来る場所ではありません。

むしろ、困っているからこそ来ていただきたい場所です。

虫歯がたくさんあっても。

歯が何本もなくても。

何十年も歯医者に行っていなくても。

そこから一緒に考えることが、僕たちの仕事です。


正直に言います。歯医者はどう思っているのか?

今回の質問に、はっきり答えます。

もし僕の目の前に、虫歯がたくさんあり、歯が何本も欠けている患者さんが来られたら。

僕が最初に考えるのは、

「どうしてこんなになるまで放っておいたんだろう」ではありません。

まず考えるのは、

「今、一番困っていることは何だろう?」

ということです。

痛みがあるのか。

噛めなくて困っているのか。

見た目が気になっているのか。

口臭が心配なのか。

それとも、歯医者に来ること自体が怖かったのか。

そこを知りたいと思います。

そして、次に考えるのは、

「今の状態から、どうすれば少しでも良くできるだろうか」

ということです。

残せる歯はあるのか。

痛みを取り除けるのか。

噛めるようにできるのか。

どこから治療を始めるのがいいのか。

歯科医師として考えるべきことは、たくさんあります。

だから、患者さんの口の中を見て、恥ずかしいと思う必要はありません。

少なくとも僕は、患者さんを評価したり、責めたりするために診療しているわけではありません。


「どうしてもっと早く来なかったの?」には理由がある

歯科医師として、早めに来院していただきたいと思うことはあります。

もっと早く見つけられたら、小さな治療で済んだかもしれない。

もっと早ければ、神経を残せたかもしれない。

もっと早ければ、抜歯を避けられたかもしれない。

そう感じることはあります。

でも、それと患者さんを責めることは別です。

なぜなら、歯科医院に来られなかった理由は、人によって違うからです。

過去の治療が痛かった。

歯科医師に怒られたことがある。

治療費が心配だった。

仕事が忙しかった。

子育てで自分の時間がなかった。

歯の状態が悪くなるほど、ますます恥ずかしくなってしまった。

さまざまな事情があります。

そして、その事情は、口の中を見ただけでは分かりません。

だからこそ僕は、

「なぜ来なかったんですか?」と責める前に、「何が不安でしたか?」と聞ける歯科医師でありたい。

そう思っています。


歯が悪いことと、人としての価値は関係ありません

ここは、今回一番伝えたいことの一つです。

歯がボロボロだからといって、その人がだらしないわけではありません。

虫歯が多いからといって、努力していないとは限りません。

歯を失っているからといって、健康への意識が低いと決めつけることもできません。

虫歯や歯周病には、さまざまな要因が関係します。

生活習慣。

過去の治療歴。

唾液の状態。

歯並び。

全身の健康状態。

そして、歯科医療を受けられる環境。

一つの理由だけで決まるものではありません。

だから僕は、

口の中の状態で、その人自身を判断したくありません。

歯科医師として必要なのは、今の状態を正しく診断し、これからどうするかを考えることです。


「全部治さないといけませんか?」という不安

歯がたくさん悪くなっている方ほど、治療に対して大きな不安を抱えていることがあります。

「何十万円もかかるのでは?」

「何年も通わないといけないのでは?」

「全部抜かれるのでは?」

「いきなり治療が始まるのでは?」

そんな不安です。

でも、僕はこう考えています。

最初からすべてを決める必要はありません。

まず、お口の状態を確認する。

今、緊急性の高い問題があるかを調べる。

どの歯を残せる可能性があるのかを考える。

治療方法を説明する。

費用や期間について相談する。

そして、患者さんと一緒に治療の優先順位を決める。

もちろん、強い痛みや感染がある場合には、早急な対応が必要なこともあります。

でも、すべての治療を一度に決めなければならないわけではありません。

一歩ずつでいいんです。


「今日は相談だけでもいいですか?」

この質問も、遠慮せずにしてほしいと思います。

もちろん、症状や診療内容によって必要な検査や処置は異なります。

ただ、歯科医院に行ったからといって、必ずその場で大きな治療を決めなければならないわけではありません。

まず状態を知りたい。

どんな治療が必要か聞きたい。

費用を確認したい。

怖いので、できるだけ説明を聞いてから考えたい。

そうした希望は、ぜひ伝えてください。

僕自身が患者だったとしても、いきなり何をされるか分からない状態では不安です。

だからこそ、患者さんにも納得して治療を受けていただきたいと思っています。


歯科医師が本当に嬉しい瞬間

歯科医師として嬉しい瞬間は、たくさんあります。

痛みがなくなった時。

噛めるようになった時。

きれいな歯が入った時。

患者さんが笑顔になった時。

でも、僕はもう一つ、とても大切な瞬間があると思っています。

それは、

ずっと歯医者に行けなかった方が、勇気を出して来院してくださった時です。

何年も悩んでいた。

何度も予約しようと思った。

でも怖くて電話できなかった。

それでも、今日来てくださった。

その一歩には、大きな意味があると思います。

歯科医師としては、もっと早く治療できていたらと思うこともあります。

でも、それ以上に大切なのは、

今日から何ができるか。

過去を変えることはできません。

でも、これからの未来は変えられます。


「もっと早く来ればよかった」と思える場所にしたい

歯科医院に長く通っていなかった方が、治療を始めた後に、

「こんなことなら、もっと早く来ればよかった」

と感じることがあります。

僕は、その言葉が後悔だけで終わってほしくありません。

「思っていたより怖くなかった」

「ちゃんと話を聞いてもらえた」

「少しずつでも治療を進められそう」

そんな安心につながってほしいと思っています。

歯科医院に行くことが怖かった人にとって、最初の一歩はとても大きなものです。

だから、その一歩を無駄にしたくありません。


僕たちが大切にしている「話をしましょう」

私たちの医院には、大切にしている診療理念があります。

それは、

「話をしましょう」

です。

これは、単に治療の説明をするという意味ではありません。

患者さんの話を聞く。

不安を聞く。

希望を聞く。

何に困っているのかを知る。

そのうえで、治療方法を一緒に考える。

僕は、そういう診療を大切にしたいと思っています。

歯の状態が悪くても、恥ずかしがる必要はありません。

治療が怖ければ、怖いと言ってください。

費用が心配なら、相談してください。

分からないことがあれば、何度でも聞いてください。

すべての希望に必ず応えられるとは限りません。

でも、患者さんの気持ちを聞かずに治療を進めることは、できるだけ避けたいと思っています。


結局、歯医者はどう思っているの?

今回の質問に、最後にもう一度答えます。

「歯がボロボロで恥ずかしい。歯医者さんは正直どう思っているの?」

僕の答えは、

「よく来てくださいました。ここから一緒に考えましょう。」

です。

虫歯がたくさんあっても。

歯が何本もなくても。

長い間、歯医者に行っていなくても。

それで患者さんを責めたいとは思いません。

大切なのは、これまでのことではなく、これからのことです。

今ある歯をどう守るのか。

どうすれば痛みを減らせるのか。

どうすれば食事を楽しめるようになるのか。

どうすれば安心して笑えるようになるのか。

その未来を、一緒に考えていきたいと思っています。


最後に

もし今、このブログを読んでいる方の中に、

「歯がボロボロで、歯医者に行くのが恥ずかしい」

と思っている方がいたら。

どうか、一つだけ覚えておいてください。

歯科医院に行くために、口の中をきれいにしておく必要はありません。

虫歯があっても大丈夫です。

歯が欠けていても大丈夫です。

何年も通っていなくても大丈夫です。

その状態から、何ができるかを一緒に考えるのが僕たちの仕事です。

そして、勇気を出して来てくださったことを、大切にしたいと思っています。

私たちの経営理念は、

「やさしさと笑顔がめぐる歯医者さん」

です。

歯科医院に来る前は、不安でいっぱいだった方が、帰る時には少し安心している。

そんな場所でありたいと思っています。

歯を治すことはもちろん大切です。

でも、その前に、患者さんの気持ちを受け止めることも大切にしたい。

だから、遠慮せずに話してください。

歯がどんな状態でも、あなたが相談してはいけない理由にはなりません。

今日から、一緒に始めましょう。


次回予告

第2回「治療中に『痛い!』と言ったら、歯医者さんは迷惑に思うの?」

治療中、少し痛い。

でも先生は一生懸命治療している。

途中で止めてもらったら迷惑かな。

我慢した方がいいのかな。

そんな経験はありませんか?

次回は、歯科治療中の痛みについて、歯科医師が本音でお話しします。

「痛い時は、遠慮せずに教えてください。」

なぜ歯科医師がそう考えるのか。

そして、患者さんに安心して治療を受けていただくために、私たちが大切にしていることをお伝えします。