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2026.07.05 ブログ

10年後に後悔しないための歯の教科書

第5回「毎日歯を磨いているのに虫歯になる本当の理由」

院長メッセージ

こんにちは。

さがなかの歯医者さんやまもと 院長の山本真志です。

歯科医院で患者さんから最も多くいただく質問の一つがあります。

それは、

「先生、毎日ちゃんと歯を磨いているのに、どうして虫歯になるんですか?」

という質問です。

一生懸命歯を磨いているのに虫歯になれば、

「自分は歯が弱いのかな。」

「体質だから仕方ないのかな。」

そう思ってしまう気持ちもよく分かります。

でも、歯科医師としてお伝えしたいことがあります。

虫歯は、

「歯磨きをしているかどうか」だけで決まる病気ではありません。

実は虫歯には、もっと大切な「本当の原因」があります。

今日は、そのお話をしたいと思います。


「毎日磨く」と「きちんと磨けている」は違う

まず最初にお伝えしたいことがあります。

それは、

毎日歯を磨くことと、歯の汚れが落ちていることは同じではない

ということです。

例えば、

毎日車を洗っていても、

細かい汚れが残っていれば錆びることがあります。

それと同じように、

歯磨きも「時間」ではなく、

「どこが磨けているか」

が重要です。

実際に染め出しをすると、

「こんなに磨き残しがあったんですね。」

と驚かれる患者さんは少なくありません。

一生懸命磨いていても、

歯ブラシが届いていない場所がある。

これが虫歯につながることがあります。


歯ブラシだけでは限界があります

「歯磨き=歯ブラシ」

と思われている方は多いですが、

実は歯ブラシだけで落とせる汚れには限界があります。

特に、

歯と歯の間。

奥歯の奥。

歯並びが重なっている部分。

こうした場所は、

歯ブラシだけでは十分に汚れを取り除けないことがあります。

だからこそ、

フロスや歯間ブラシが必要なのです。

私たち歯科医師がフロスをおすすめするのは、

「できれば使ってくださいね。」

という程度の話ではありません。

歯を長く残すために、本当に大切だから

です。


虫歯は「食べた回数」で進行しやすくなる

ここで、多くの方が勘違いしていることがあります。

それは、

「甘い物を食べたら虫歯になる」

という考え方です。

もちろん甘い物は虫歯の原因になります。

しかし、

もっと大切なのは、

「何回食べるか」

です。

例えば、

ケーキを一つ食べる。

これはもちろん糖分があります。

でも、

それを短時間で食べ終えるのと、

飴を何時間もなめ続けるのでは、

実は後者の方が虫歯になりやすいことがあります。

なぜでしょうか。


歯は毎日「溶けて、修復している」

実は私たちの歯は、

毎日少しずつ溶けています。

食事をすると、

口の中が酸性になり、

歯の表面からミネラルが溶け出します。

これを

「脱灰(だっかい)」

と言います。

しかし、

食事が終わると、

唾液の働きで歯は修復されます。

これを

「再石灰化(さいせっかいか)」

と言います。

健康な口の中では、

このバランスが保たれています。

ところが、

ダラダラ食べたり、

何度も甘い飲み物を飲んだりすると、

歯が修復する時間がなくなります。

すると、

虫歯が進行しやすくなるのです。


唾液は「天然の歯医者さん」

唾液には驚くほど多くの働きがあります。

・汚れを洗い流す

・酸を中和する

・歯を修復する

・細菌の増殖を抑える

つまり、

唾液は毎日、

あなたの歯を守ってくれています。

だから、

口が乾きやすい方。

お薬の影響で唾液が少ない方。

口呼吸が多い方。

こうした方は、

虫歯のリスクが高くなることがあります。


虫歯は「生活習慣病」

私は診療中によくお話しすることがあります。

それは、

虫歯は生活習慣病です。

ということです。

歯磨きだけではありません。

・食事の回数

・飲み物

・睡眠

・ストレス

・唾液

・歯並び

・セルフケア

これらすべてが関係しています。

つまり、

虫歯は一つの原因ではなく、

毎日の生活の積み重ねなのです。


「歯磨きを頑張る」より大切なこと

ここまで読んで、

「もっと歯磨きを頑張らなきゃ。」

と思われた方もいるかもしれません。

もちろん歯磨きは大切です。

でも、

それ以上に大切なのは、

「自分に合った予防を知ること」

です。

人によって、

虫歯になりやすい原因は違います。

歯並びなのか。

食生活なのか。

磨き方なのか。

唾液なのか。

だから私たちは、

患者さん一人ひとりのお口を見て、

その方に合った予防方法をご提案しています。


歯医者は「虫歯を治す場所」ではなく「原因を見つける場所」

私は、

歯科医院の役割は少し変わってきていると思っています。

昔は、

「虫歯を削る場所」

というイメージでした。

でも今は違います。

「なぜ虫歯になったのか」を一緒に考える場所

でありたいと思っています。

治療だけでは、

また同じことを繰り返してしまいます。

原因が分かれば、

未来は変えられます。


最後に

毎日歯を磨いているのに虫歯になる。

それは決して、

あなたの努力が足りないからではありません。

もしかすると、

少しだけ方法が違うのかもしれません。

少しだけ生活習慣を見直す必要があるのかもしれません。

そして、

それを一緒に考えるのが私たち歯科医院の役目です。

10年後、

「自分の歯で何でも食べられる。」

そんな未来をつくるために、

今日からできることを、一緒に始めてみませんか。